ぬかづけ事件

学校に


漬物石みたいな顔の先生がいましてね、



ぬっぺり顔ですよ。



いったんもめんかと。



その人がまた、



すれ違うと、ぬかづけみたいな臭いがするんです。



お約束かと。



いったんもめんかと。



一旦揉めんかと。



揉みたくないわと。



それでね、僕はなぜ彼女があんなにも臭いのか、



気になって隣の席の格好いい人に聞いたんですよ。





「何で女ってクサイのが好きなんだろうね」



そしたらば



「でもね、女を口説くときはちょっとぐらいクサイこと言ったほうがいいんだぜ、黒木くん」




そうなのか。



僕はね、全然知らなかったですよ、そんなこと。



それでね、


その日の5・6時間目が芸術だったんですね。



僕はまあ何気なく話し合いに参加してたんですけど



急に前にいた女の子が



僕に向かってね、



「これ黒木って読むんだね、初めて知ったんだっちゃ」



そんなこと言ってくるんですけど



僕としてはもうびっくり。



いじり？それはいじりなの？



それとも本気で言ってるの？



ほら、僕女の子にいじられたことないじゃないですか。



そんなこと知ったことないじゃないですか。



なんて言ったらいいのかまるで見当もつかないじゃないですか。





どうしよう。



でもそんなとき、



ふと先の彼の助言が蘇ってきまして、



なんかクサイこと言って



この女口説いてやろうと



そう思ったのです。



だから僕は




「おなら。」




私渾身の今月のザ・口説き文句です。



ちょっクサすぎたかな、とは思ったんですが、



なんと彼女の方を見ると、少しばかり顔を赤らめてるじゃないですか！



僕はここぞとばかりに連呼しましたよ。



回りからどう思われたっていいんだ。って



そしたら彼女いきなり泣きましてね、



僕すんごい戸惑ったんですけど



あとから聞いた話では



日曜日の夜の顔が



滝川栗捨てるから山本モナに変わってるらしいじゃないですか！



もうびっくり



・・・



とまあここまでは前置きで、



僕、サッカー部に入りました。



先輩怖い、部室クサい。



でも女を口説くには



少しクサイぐらいがちょうどいい。



らしいよ。



うん。


くろき